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「共通的な到達目標モデル(第二次案修正案)」に関するアンケート調査結果

平成23年6月12日

「共通的な到達目標モデル(第二次案修正案)」に関する
アンケート調査結果とりまとめ

法科大学院協会カリキュラム等検討委員会

回答校:72校

※ (  )に記載した割合は、「当該選択肢の回答校数/本アンケートの回答校数」により算出した(質問に対して無回答の場合は除く)。

※ 「その他」の選択肢を回答した場合の具体的な回答内容については、基本的には各会員校からの回答をそのまま転記した。ただし、「検討中」とまとめられる回答については一括で示し、回答中に個別の校名が記載されている場合については一部修正を加えた。

質問1 各法科大学院における到達目標の策定について

A 既に策定している。  : 5校( 6.9%)

B 策定する予定である。(*):47校(65.3%)

C 策定する予定はない。 : 1校( 1.4%)

D その他        :19校(26.4%)

◆「D その他」で示された意見は以下のとおり。

・ 検討中。(7校)

・ 法科大学院独自の「到達目標」の策定は、それを学生に提示することによってはじめて意味を持つ。「調査研究」グループ作成の「到達目標」がすでに公表され、学生が自由に閲覧可能である現在の状況において、いかなる趣旨(たとえば、修了判定基準として学生に提示する趣旨か、学修の目標を学生に掲げる趣旨か、研究科修了生の質について社会に対して約束する趣旨か等)のものとして、いかなる方法で学生(及び社会)に向けて提示すべきかの検討と併せて、策定してゆくものと考えている。

・ 現時点では、各授業科目を担当する教員が、共通的到達目標モデルと照らし合わせながら、自ら作成した教材の内容を点検吟味するのが精一杯のところであり、公法系・民事系・刑事系別の組織的な対応や、本学固有の到達目標の設定については、学内における今後の審議に委ねられている。

・ あらためて検討したうえで、策定することになると思うが、その時期については未定である。

・ 第一次案に基づいて大学独自の到達目標を策定している。今後「共通的な到達目標モデル」を踏まえて、より精度を高めていきたいと考えている。

・ さしあたり、独自の到達目標の策定よりも、本学の教育理念や「共通的な到達目標モデル(第二次修正案)」を踏まえて、個々の授業の質や関連科目間の連関をさらに高めていくための方策について検討を進める。その過程で必要が生ずれば、独自の到達目標を策定していく。

・ 策定する方向で検討中。

・ Aと答えてもよいと思うが、モデル案のように一覧にしていないのでDと回答する。ただし、各分野ともしかるべき到達目標を設定して教育に臨んでいるのは当然のことである。

・ 従前より、各教員・教科担当関係者に対し、可能な限り具体的に到達目標を定めた上で授業内容の構成・シラバスの作成等を行うよう、注意を喚起し、それが実践されてきたと認識しているが、それを「共通的な到達目標モデル(第二次案修正案)」のような形式で纏め直す必要があるか、検討している。

・ 法科大学院として、特定の到達目標を立てる予定はない。ただし、各教員および関連教員間(たとえば民法の各授業科目担当教員間、基礎科目と実務科目の教員間)で、到達目標を立てるべく協議を行っており、法科大学院としてもそれを促している。

・ 講義情報の中で各科目ごとに到達目標を設定している。

・ 非常に簡単な到達目標は策定していますが、今回テーマになっているような到達目標とは掛け離れていますので、到達目標についての考え方や内容をめぐって議論をしているところです。到達目標をまったく策定しないということではありません。

・ 策定するかどうか検討する予定である。

(*)「B 策定する予定である。」の内訳

※ 以下の設問については、調査回答時点での大まかな予定に基づいて回答することも可として調査を実施した。

B-1 平成23年度カリキュラムから: 6校

B-2 平成24年度カリキュラムから:20校

B-3 その他           :19校

◆「B-3 その他」で示された意見は以下のとおり。

・ 検討中。(3校)

・ 平成22年度末までに各分野ごとに担当教員が分担してモデルを検討し、検討結果を踏まえてどのような到達目標が適切かを議論し、24年度から実施することになる見込み。

・ 24年を目標とするが、確定的ではない。

・ 学生便覧に記載の「法科大学院の教育体系」(法科大学院が目指すもの+カリキュラム編成の考え方)を改訂し、これに基づく個別授業科目の到達目標と内容を見直し、平成23年度から実施するための作業を行っている。

・ 各科目の共通的到達目標の項目は、程度の差はあれ、この間本研究科でシラバス・講義概要に盛り込むよう努力を続けてきたものと大きく異なるものではなく、その意味では「共通的到達目標」と重複する内容がほとんどであると思われる。そこで、策定時期は確定していないが、研究科で検討のうえ調整をし、その策定にとりかかる予定である。

・ 現在、策定中であり、策定できた科目から実施していく。なお、今年度中に全科目での策定を目標としている。

・ 一般的な内容の「年次別学修到達目標」を既に策定しており、それと調整しつつ、各授業科目に対応した具体的な内容の到達目標を、平成24年度カリキュラムを目途にして策定する。

・ ほとんどの科目はすでに策定済であるが、法科大学院として「共通的到達目標モデル」を議論の対象に、場合によっては他法科大学院との合同FDの場で検討し、できるだけ早急に策定する予定である。

・ 基本的には、平成23年度から、民法を先行させ、他の科目も順次実施。

・ これから検討する。

・ 今後、教授会において考える方向である。

・ 法科大学院開設時に各科目とも一応の到達目標を定めているが、到達目標モデルの確定を踏まえて、各科目の到達目標をさらに精緻なものにして、平成24年度カリキュラムに反映することを考えている。

・ 策定時期は各専任教員に委ねている。

・ 策定作業が完了次第、実施する予定である。

・ 時期については、未定。

・ できれば、平成24年度カリキュラムから策定を考えています。

・ 下記質問2への回答にあるように第二次案修正案の内容をおおむね適切と考えている。もう一度各教員の授業内容を詳細に確認したうえで作業をすべきと考えており、そのための時間を必要としている。

質問2 各法科大学院における到達目標と「共通的な到達目標モデル(第二次案修正案)」との関係について

A 「共通的な到達目標モデル(第二次案修正案)」は

適切であり、それを踏まえる。           : 4校( 5.6%)

B 「共通的な到達目標モデル(第二次案修正案)」は

おおむね適切であり、それを踏まえる。       :44校(62.0%)

C 「共通的な到達目標モデル(第二次案修正案)」は

不十分であるが、それを踏まえる。         : 2校( 2.8%)

D 「共通的な到達目標モデル(第二次案修正案)」は

適切であるが、それとは独立して策定する。     : 0校( 0.0%)

E 「共通的な到達目標モデル(第二次案修正案)」は

おおむね適切であるが、それとは独立して策定する。 : 1校( 1.4%)

F 「共通的な到達目標モデル(第二次案修正案)」は

不十分であり、それとは独立して策定する。     : 0校( 0.0%)

G その他                     :20校(28.2%)

(無回答 1校)

◆「B 「共通的な到達目標モデル(第二次案修正案)」はおおむね適切であり、それを踏まえる。」について以下の意見を付して回答したものがあった。

・ ただし、選択肢の区分がよく理解できなかった。

・ ただし、カリキュラムに関して全国的な基準となりうるものと各個別大学の関係に鑑みるならば、「踏まえる」ではなく「参考とする」という立場で対応すべきものと考える。なお、本モデルの内容については概ね適切であるという見解が本法科大学院の大多数の教員の意見であった。

◆「G その他」で示された意見は以下のとおり。(【 】内は集計方法に関する注記。)

・ 検討中。(6校)

・ 「共通的な到達目標モデル」(第二次案修正案)を基本として、夜間社会人法科大学院の特質を踏まえて策定する。

・ Bを基本とするが、質問1において説明したように、「第二次案修正案」に付け加えるべきもの及び取り去るべきものを、十分に検討する必要があると考えている。【注:本回答では、「B」と「G」の両方で回答がされていたが、上記集計では「B」のみの回答として整理した。】

・ 共通的な到達目標モデルのねらいがあいまいで、分野によって粗密があるために、それが適切かどうかの一般的評価はできない。しかし、「共通的な到達目標に照らし、それと同等もしくはそれを上回る到達目標となっているか」が認証評価の基準とされるのであれば、共通的な到達目標を踏まえたものにせざるをえないであろう。

・ 個別の授業科目ごとの重要事項は、第1次案以下のモデルでも網羅されていると思われるが、複数の関係科目間で問題となる領域の、いわば科目横断的なコアも考えられるとすれば、本学固有の共通的到達目標の策定に当たってはもう少し時間をかけて取り組む必要がある。

・ 分野により、適宜修正する等の検討を加える予定である。【注:本回答では、「B」と「G」の両方で回答がされていたが、上記集計では「B」のみの回答として整理した。】

・ 達成目標の策定については質問1参照。なお、「共通的な到達目標モデル(第二次案修正案)」はおおむね適切と考えている。

・ 各科目の教材に落とし込む形で実施しなければいけないので、第二次案修正案を踏まえつつ、策定する。なお、他大学との共同策定(民法)。

・ 「共通的な到達目標モデル(第二次案修正案)」は、あくまでも参考であるという作成関係者の提示の趣旨に鑑み、教員間に情報として提供・共有はしているが、特段の評価は下しておらず、また、第2WGの検討結果において言及されている[今後示されるはずの]「共通的な到達目標」でもないので、形式として纏める必要があると判断した場合に、如何に為すべきか、検討している。

・ 「B」。ただし、刑法のみ「E」。

・ 科目によるバラつきがあるため、第二次修正案を参考にして考えたい。

・ ミニマムスタンダードの設定という点では、科目間の十分な調整ができておらず、科目毎にばらついたモデルにつき、全体を一括して適切とか不適切とかいう評価は不可能である。科目間にばらつきがあるという点を看過して(EとFの多寡で全体の採否を決めることは不都合だし、また、CとDは、回答としては不誠実と指摘せざるを得ず、ばかげている→モデルに疑問を持つ法科大学院の場合には、項目としては集計しても意見の集約としての意味をもちえないGに回答せざるを得ないことになっている。調査研究班の実施するアンケートではないのだから、もう少し、配慮して欲しかった)、共通的到達目標としてモデルはおおむね適切であるというまとめ方をされることになるとしたら、法科大学院協会としての見識が疑われることになりはしないかと危惧している。

本校として、共通的な到達目標を具体化する作業は必要であると考えているので、検討をすすめているところだが、第2次案修正案について、これを参考にして、修正、評価を加えたものも作成し、配布する計画に沿って作業をすすめている。しかし、上記のように出来具合が均一とはいえないので、科目毎にちがう対応をせざるを得ない結果となっている。

また、法科大学院としての共通的到達目標について、項目間の重要度の差も指示せず、教科書の詳細目次のような内容のものを提供して、最低限これだけを理解することを求めるという誤解を招く可能性のある呈示の仕方には大きな疑問がある。モデルに記載された全項目について説明できても、その学生に、蓄えた知識を事案の処理に使う知能の到達目標部分が欠けているなら、実務で使える力ではならないし、それ以前に、最近の司法試験の論述問題にも適切に解答できないだろう。この使う知能の部分がモデルの各項目の呈示になかに組み込まれて、法科大学院教育で獲得すべき学力の内容を示すことは当然であり、必須である。従って、第二次案修正案に手を加える作業とは別に、理解できた法理論を実地に使って処理できる実務能力の獲得が法科大学院教育の共通的な到達目標であるという視点から、時間はかかるが、オルタナティブを作成する作業も、別途独立してすすめている(現時点では、民法について作業中である)。

・ 本法科大学院では、当該モデル案についての評価は一致していません(概ね適切という意見、内容・レベルの濃淡・高低があり不十分であるという意見、学生の自学自習を含めても3年間の内容としてボリュームがありすぎる、モデル案まで到達していなくても新旧の司法試験には合格しているという意見など)。当該モデル案を考慮あるいは参考にしますが、A~Fに当てはまるような回答はできませんでした。

・ 科目によって違いがあるため、一律には回答できません。

・ 「共通的な到達目標モデル(第二次案修正案)」はおおむね適切であり、それを参考にしながら本学独自に策定する。

・ 共通的な到達目標モデル(第二次案修正案)を参照して、到達目標を改訂するかどうか検討する。

・ 策定する場合にモデルを踏まえるかどうか検討する予定である。

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