近年、法科大学院は、さまざまな改革の努力を進めてきた結果、大きく変わりました。
法科大学院修了生の約7割は合格
法科大学院教育の質の向上にむけた取組、法科大学院の統廃合・定員削減の取組などによって、修了生の司法試験合格率は上昇しています。
マスコミで報道されるのは、その年に受験した受験者の合格率(単年度合格率。2023年試験は45.3%)ですが、ある年に法科大学院を修了して司法試験を受験した受験者(5年で5回まで受験できます)が最終的に司法試験に合格する割合(累積合格率)でみると、全体で72.9%(既修者では82.9%)が合格します。既修者だけでみると修了後2年で約7割が合格しています。
また、政府は、1500人程度の司法試験合格者が輩出されるよう必要な取組を進めるとしていますが、2023年4月の法科大学院の入学者数は1971人ですから、法科大学院に入学してしっかり勉強すれば、大半が司法試験に合格できる条件は整ってきています。
経済的負担の軽減-奨学金制度の充実と修習給付金制度の新設
法科大学院生に対しては、さまざまな経済的支援がなされており、制度創設当時よりもはるかに充実してきています。詳細はQ4(P6)をご覧ください。
また、2017年に採用された司法修習生から、修習給付金制度が新設されました。基本給付として一律月額13.5万円、住居給付として月額3.5万円を支給する内容です。
法曹への新しい道、法曹コース3年間+法科大学院2年間
2020年度より、法曹への新しい道として、「法曹コース」(連携法曹基礎課程)という新しい教育課程が創設されました。これは、法学部と連携協定を結ぶ法科大学院とが体系的・一貫的な教育課程を編成し、法学部の段階から、法曹を志す学生の皆さんに効果的な教育を提供する仕組みです(2023年度には、全国に40の法曹コースが設置されています)。
優秀な成績を修めて「法曹コース」を修了した方は、大学を3年で早期卒業し、法科大学院の既修者コースに進学することも可能です。実際に法曹コースを修了して法科大学院在学中に司法試験を受験した法科大学院生の合格率は65.24%と高い数字になっています。これらにより、「法曹コース」で学んだ方は、従来より約2年早く、最短6年(学部3年+法科大学院2年+司法修習1年)で法曹として活躍することが可能となります。 ※ 法曹とは、裁判官、検察官、弁護士を示す総称です。
Q1 法曹の仕事ってどのように拡がっていますか? 就職状況は改善していますか?
Q2 法科大学院に入学するためにはどのような準備が必要ですか?
Q3 法科大学院の授業ってどんな感じですか? 入学するとどんな生活になるのですか?
Q4 法科大学院に行くためには,どのくらいの費用がかかるのですか?
Q5 法曹になるには,法科大学院ルートと予備試験ルートのどちらがよいですか?
法科大学院で学ぶこと、弁護士として生きることの魅力
~亀石倫子弁護士に聞く~
亀石 倫子(弁護士)
聞き手:堀江慎司(京都大学法科大学院教授)
インタビュー日付:2017年10月26日
ライブ法科大学院教育 ―行政法の場合
大貫裕之(中央大学教授)
法科大学院ってどんなところでしたか? ―法科大学院生に聞く
金子茉由(東京地方裁判所判事補[インタビュー当時、中央大学法科大学院3年生])
大貫裕之(中央大学教授)
今、なぜロースクールで学ぶのか ―若手弁護士が語る法科大学院の魅力
小塩康祐・毛受達哉・戸塚雄亮・重政 孝・鴨下 香苗 (弁護士)
データから見る日本の法曹、法科大学院の現在
片桐 武 (弁護士)