2013年5月11日開催:法科大学院協会シンポジウム「法科大学院修了生の活躍と今後の課題――多様な人材の輩出に向けて」議事録
「法科大学院修了生の活躍と今後の課題――多様な人材の輩出に向けて――」
法科大学院制度の創設以来、法科大学院を巣立った修了生が社会のさまざまなところで活躍しています。これらの修了生の中には、従来の法廷中心に活躍する法曹三者の枠にとらわれずに目覚ましい活躍をしている者が多数登場しているところです。このような有為な修了生を送り出していることは、法科大学院制度を中核とする新たな法曹養成制度の重要な到達点を現すものです。
法科大学院協会は、以上の状況を踏まえて、法科大学院修了生の活躍状況を社会に広く発信するとともに、法科大学院の意義と課題を問い直すことを目的として、2013年5月11日(土)、日本弁護士連合会および経営法友会の共催、文部科学省の後援により、シンポジウム「法科大学院修了生の活躍と今後の課題――多様な人材の輩出に向けて――」を開催いたしました。
シンポジウム第1部では、まず、法科大学院協会広報委員会より、法科大学院を対象としたアンケート調査の結果に基づき、法科大学院修了生の活躍状況の概要が紹介されました。
これに続いて、法科大学院修了生を受け入れていただいているさまざまな組織・団体の方々より、それぞれの業界や分野において、法科大学院修了生をどのくらい受け入れているか、法科大学院修了生が幅広く活躍するためにどのような取組みに力を入れているか、法科大学院修了生と接して法科大学院修了生にどのような強みないし長所が見られるか、法科大学院教育の成果としてどのようなことが挙げられるか、などが具体的に報告されるとともに、法科大学院修了生および法科大学院教育に対する今後の期待と課題が指摘されました。
第1部の報告は下記の通りです(所属・肩書等はシンポジウム当時のもの)。
法科大学院修了生の活躍状況の調査について 秋山 靖浩(法科大学院協会広報委員会主任/早稲田大学教授) 受け入れ側から見た法科大学院修了生の活躍と今後の課題 司会:大貫 裕之(法科大学院協会広報委員会・法曹養成対策本部・常務理事/中央大学教授) |
シンポジウム第2部では、第1部の報告者に加えて、特色ある活躍をされている法科大学院修了生5人にもパネリストとして参加していただき、パネルディスカッションが行われました。
パネリストの間では、(1)法科大学院が他学部・社会人出身者を幅広く受け入れ修了生として送り出していることが、修了生の活躍につながっていること、(2)法科大学院修了生が法律学の素養を武器にしてさまざまな領域に進出していること、(3)弁護士が従来あまり手がけていなかった分野や弁護士の仕事とは思われていなかった分野に、法科大学院出身の弁護士が進出していることなどをめぐって、法科大学院での学修や経験が現在の活躍にどのように結びついているか、法科大学院修了生を受け入れる側はこの状況をどのように評価しているか、また、法科大学院および法科大学院教育に今後どのようなことが期待されるか、などが活発に議論されました。
第2部のパネリストは下記の通りです(所属・肩書等はシンポジウム当時のもの)。
パネルディスカッション「法科大学院修了生の活躍と今後の課題をめぐって」 パネリスト 第2部の報告者 丸島 俊介 楠井 嘉行 赤穂 敏広 的場 弘紹 泉 房穂 法科大学院修了生 水上 貴央(弁護士・青山学院大学法務研究科助教/早稲田リーガルコモンズ法律事務所)~他学部・社会人出身の経験を生かして弁護士として活躍する修了生 皆川 佳代(弁護士/興和株式会社知的財産統轄室契約渉外部)~企業内で弁護士として活躍する修了生 深見 健太(金融庁総務企画局総務課国際室)~国家公務員として活躍する修了生 宮内 博史(弁護士/弁護士法人多摩パブリック法律事務所)~難民や外国人、被災者、国際人権問題に取り組む弁護士 宮地 理子(弁護士/八重山ひまわり基金法律事務所)~離島地域の公設事務所で活動する弁護士 司会:秋山 靖浩(法科大学院協会広報委員会主任/早稲田大学教授) |
第1部・第2部を通じて、さまざまな分野での法科大学院修了生の活躍が具体的に紹介されるとともに、法科大学院修了生および法科大学院教育に対して大きな期待が寄せられました。本シンポジウムは、法科大学院修了生の活躍状況を広く発信すると同時に、法科大学院教育の成果と課題、社会における法科大学院修了生の受け入れの現状と課題などを確認し共有する重要な機会となりました。
ご多忙中のところ、本シンポジウムに参加してくださった方々はもちろんのこと、日本弁護士連合会、経営法友会、文部科学省からさまざまなご協力をいただきました。心から感謝を申し上げます。
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