修了生職域委員会より~エクスターンシップ支援・促進プログラムについて

平成28年1月29日

エクスターンシップ支援・促進プログラムの内容

法科大学院協会修了生職域委員会

(目的)企業におけるエクスターンシップの受け入れ先を開拓し、企業と法科大学院双方の認識を深め、法科大学院修了生の就職先の開拓につなげるため、ここにエクスターンシップ支援・促進プログラム(以下「本プログラム」という。)の内容を提示するものである。

(方法)
法科大学院協会から、エクスターンシップの受入先企業に関する情報を求める法科大学院のデータシート(別紙)を作成し、経営法友会に提供する。このデータシートには、希望するプログラムの条件等の概要を付記するとともに、連絡先・担当者を記載する。
上記データシートを閲覧した各企業等は、データシートに掲載された法科大学院の希望情報等を閲覧することにより、どのような大学院がエクスターンシッププログラムを検討しているか、またどのような条件を考えているかがを知ることができる。
企業側において、エクスターンシップを受け入れる意向がある場合、それぞれ個別に、適宜、法科大学院のデータシートに掲載されている候補先に連絡を取って、自由に個別の
協議を進めることができることにする。

(各企業におけるエクスターンシップ受入のメリット)
(1) 個別の法科大学院生の能力・状況等を知ることにより、法務関連の人材の採用戦略に資する具体的な情報を得ることができる。
(2) 法科大学院生に個別の企業における法務等の実態を理解してもらい、将来の進路の参考に資するとともに、相性があえば将来の就職の選択肢としながら、相互の理解を深めることができる。
(3) 法科大学院との情報交換により、企業法務に関する情報共有をさらに推進することができる。

(エクスターンシップの内容と要件)
エクスターンシップは原則として相互に無償で行われるものであり、詳細な具体的な要件は各法科大学院において異なりうるが、概ね次のような分類が考えられる。データシートには、その評価態様の箇所に、いずれの類型であるかを表記して、一応の目安とすることができる。もっとも、このシートのすべての項目を全部あらかじめ明らかにする必要はなく、その記載の内容や程度は任意とする。

<単位認定型・管理型>
単位認定があることから、法科大学院在学中の一定の期間において、所定の履修期間を受け入れ企業において研修し、受入企業又は研修生がその研修内容の概要を報告する。
<単位認定型・自由型>
単位認定があることから、法科大学院在学中の一定の期間において、所定の履修期間を受け入れ企業において研修するが、その研修内容の概要についての報告を要件とせず、教員と受け入れ企業との協議によって単位認定を行う。
<単位認定なし・自由型>
単位認定がないので、法科大学院在学中に限る必要はなく、その期間設定も自由であり、基本的に法科大学院への報告も要しない。

(秘密保持契約について)
各企業と法科大学院生の間においては、秘密保持契約を締結することにより規律される。これに加えて、法科大学院在校生の場合には、大学等による懲戒の対象となることがありうること等によっても、担保されている。特に、法科大学院が管理し、単位認定がある場合には、秘密保持義務は大学及び企業の双方に対して誓約書を提出させることとする。
これに対して、非在校生の場合には、大学の懲戒処分が及びにくい点で、やや限界がある点に留意する必要があろう。単位認定がない場合や、法科大学院が管理を及ぼさない場合にも、法科大学院関係のプログラムとして位置付ける場合には、秘密保持義務を大学及び企業の双方に対して明らかにするように取り扱うものとする。
なお、秘密保持等誓約書は、各自の責任において、法科大学院等と協議して、自由に作成することができ、法科大学院側は一応の案を用意している。また、万一の場合に備えた保険に関しても、法科大学院側で一定の説明ができることが予定されている。

(実施に向けて)
最終的には、各企業と各法科大学院において、個別に申込みや協議を行うことが想定されているので、最終的には、各企業と各法科大学院との合意によってエクスターンシップ受入について定めるものとする。
その関係についてエクスターンシップ契約書の内容は各自に委ねられ、一切の法律関係はその直接の当事者の間で規律するものとされる。従って、法科大学院協会その他いかなる第三者も、本プログラムに基づく個別の協議や問題について何らの義務も責任も負うものではないことを確認する。
本プログラムは、当委員会において各法科大学院側に対して、基本的な参考情報を提供し、各当事者間において円滑にエクスターンシップを実現するための支援を試みるものである。
エクスターンシップの成果は、法科大学院ごとに発表されているところ、可能な限り情報を共有する方向で情報を集約して、その状況や課題を検討し、さらなるエクスターンシップの展開を期待する。また、本文書及び当委員会から提供する参考情報等についても、今後の提言、意見等を受けて適宜修正していくことを想定している。

以上

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