近年、法科大学院は、さまざまな改革の努力を進めてきた結果、大きく変わりました。
司法試験合格率―累積合格率は約7割(既修者)
法科大学院教育の質の向上にむけた取組、法科大学院の統廃合・定員削減の取組などによって、修了生の司法試験合格率は上昇しています。
マスコミで報道されるのは、その年に受験した受験者の合格率(単年度合格率。2019年試験は33.63%)ですが、ある年に法科大学院を修了して司法試験を受験した受験者が最終的に司法試験に合格する割合(累積合格率)でみると、修了後3年で60.3%(既修者は68.0%)が司法試験に合格します。
また、政府は、1500人程度の司法試験合格者が輩出されるよう必要な取組を進めるとしていますが、2019年4月の法科大学院の入学者数は1862人、最終的に修了して司法試験を受験するのは入学者の約80%ですから、法科大学院に入学してしっかり勉強すれば、大半が司法試験に合格できる条件は整ってきています。
経済的負担の軽減―奨学金制度の充実と修習給付金制度の新設
法科大学院生に対しては、さまざまな経済的支援がなされており、制度創設当時よりもはるかに充実してきています。
また、2017年に採用された司法修習生から、修習給付金制度が新設されました。基本給付として一律月額13.5万円、住居給付として月額3.5万円を支給する内容です。
時間的負担の軽減―大学入学から5年で司法試験合格も
学業成績が優秀な学生については、学部入学から5年間で法科大学院を修了できるよう、学部早期卒業や飛び入学制度を利用して法科大学院の既修者コースに入るルート(学部3年+法科大学院2年)が拡充されています。このルートで法科大学院に入った人数は、2012年入学者では5人だったのが、2019年入学者では87人と増えています。
また、2023年度からは、法科大学院の最終学年の夏に司法試験を受験できるようになり、最短で入学から5年で司法試験に合格し、6年で法曹資格を得ることができるようになります。
Q1 法曹の仕事ってどのように拡がっていますか? 就職状況は改善していますか?
Q2 法科大学院に入学するためにはどのような準備が必要ですか?
Q3 法科大学院の授業ってどんな感じですか? 入学するとどんな生活になるのですか?
Q4 法科大学院に行くためには,どのくらいの費用がかかるのですか?
Q5 法曹になるには,法科大学院ルートと予備試験ルートのどちらがよいですか?
法科大学院で学ぶこと、弁護士として生きることの魅力
~亀石倫子弁護士に聞く~
亀石 倫子(弁護士)
聞き手:堀江慎司(京都大学法科大学院教授)
インタビュー日付:2017年10月26日
ライブ法科大学院教育 ―行政法の場合
大貫裕之(中央大学教授)
法科大学院ってどんなところでしたか? ―法科大学院生に聞く
金子茉由(東京地方裁判所判事補[インタビュー当時、中央大学法科大学院3年生])
大貫裕之(中央大学教授)
今、なぜロースクールで学ぶのか ―若手弁護士が語る法科大学院の魅力
小塩康祐・毛受達哉・戸塚雄亮・重政 孝・鴨下 香苗 (弁護士)
データから見る日本の法曹、法科大学院の現在
片桐 武 (弁護士)