News Letter No.29 (2011年12月10日理事会及び総会報告)
法科大学院協会事務局
法科大学院協会の理事会が、2011年12月10日(土)午前10時半より、明治大学駿河台キャンパス・リバティタワー8階1087教室で、また、総会が、同日午後1時より、同3階1032教室で開催されました。また、総会に引き続いて、同教室で、シンポジウム「法科大学院制度の現状と課題」が開催されました。開催に当たり、会場の提供、準備にご尽力下さいました納谷廣美学長(協会顧問)及び河内隆史法科大学院長をはじめとする明治大学の関係者の皆様に篤くお礼申し上げます。
以下、総会で審議・決定された事項を中心に、概要をご報告申し上げます。
総会は、理事長の指名により、後藤昭専務理事の司会で進められました。議事に先立ち、文部科学省の内藤敏也高等教育局専門教育課長より挨拶があり、法科大学院協会の平素の活動について謝辞が述べられた後に、①法曹の養成に関するフォーラムについての状況と今後の予定の報告、②提言型政策仕分けについての状況の報告、③民主党法曹養成制度検討PTについての状況と今後の予定の報告、④中教審法科大学院特別委員会WGが実施している改善状況調査についての状況の報告、⑤財政支援および入学定員の見直しについての状況の報告、⑥省内における国立大学の支援に係る事務体制の見直しについての案内等がなされました。
1 理事交代及び人事に関する件
(1)理事の交代
鎌田薫理事長より、以下の提案がなされ、承認されました。
伊東研祐教授(慶應義塾大学)に代わり、片山直也教授(慶應義塾大学)
潮見佳男教授(京都大学)に代わり、酒巻匡教授(京都大学)
(2)理事長代行の指名
鎌田理事長より、規約18条2項に基づき、井上正仁副理事長を指名したことが報告されました。
(3)その他の人事
後藤専務理事より、以下の報告がなされました。
①常務委員の交代
窪田充見教授(神戸大学)に代わり、角松生史教授(神戸大学)
②司法試験等検討委員会委員[民訴法・倒産法担当]の交代
中島弘雅教授(慶應義塾大学)に代わり、三上威彦教授(慶應義塾大学)
③法曹養成問題対策本部の増員
対策本部長・鎌田薫教授(理事長・早稲田大学)、本部長代行・井上正仁教授(副理事長・東京大学)、本部主任・土井真一教授(京都大学)に加えて、本部員として、大貫裕之教授(常務理事・中央大学)と山田八千子教授(中央大学)を増員する。
2 規約改正の件
鎌田理事長より、法科大学院協会規約第13条および第41条につき改正の提案がなされました。
現行規約第13条第3項については、被選考理事の所属する会員校において代表者が交代した場合に、後任の新代表者が当然に理事の地位を継ぐ(いわば当該会員校が「理事校」という扱い)という運用を現在行っているところ、規約上は代表者交代の場合の取扱いが必ずしも明らかではないことから、その場合の取扱いについて明文の定めを新たに第4項として設けることにしたものです(下線部が改正部分)。なお、同項の解釈として、会員の代表者とは当該会員校で代表として定めた者のことであり、また、代表者交代により新たに理事の地位に就いた者の任期は前任者の残存期間とすることも、併せて説明されました。
旧 | 新 |
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第13条 (理事の選任) 理事(副理事長、専務理事及び常務理事を除く。)は、総会の下に置かれた理事選考委員会の選考に基づき、総会がこれを選任する。2 理事選考委員会は、前任の理事長及び総会において会員代表者が互選する者6名をもって充てる。3 理事選考委員会の選考する理事の過半数は、会員代表者から選考されなければならない。 |
(第1項から第3項まで同じ) 4 前項の理事が会員の代表者たる地位を交代したときは、後任の代表者がその理事の地位に就くものとする。 (新設) |
現行規約第41条は、予算及び決算に関する規定ですが、年3回総会を開催することを前提に、3月末までに予算案を作成して総会の承認を求め、5月末までに決算書を作成して総会の承認を求めるものとしています。しかし、前回の総会および理事会において、総会の開催が年2回とされたことから、決算書の承認と予算案の承認とを1回の総会(6月頃を想定)で行えるようにするため、次の改正を提案するものです。なお、「求める」「得る」は実質を変更する趣旨ではなく、文言を整理するものです(下線部が改正部分)。
旧 | 新 |
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第41条 (予算及び決算) 理事長は、毎年3月末日までに翌年度の事業予算案を作成し、理事会の議を経て総会の承認を求めなければならない。 2 理事長は、毎会計年度終了後2ヶ月以内に決算書を作成し、理事会の議を経、監事の意見を添えて総会の承認を求めなければならない。 |
第41条(予算及び決算) 理事長は、毎会計年度終了後2ヶ月以内に決算書を作成し、理事会の議を経、監事の意見を添えて総会の承認を得なければならない。 (旧2項) 2 理事長は、前項の決算書を勘案して翌年度の事業予算案を作成し、理事会の議を経て総会の承認を得なければならない。 (旧1項) |
審議の結果、以上の提案が承認されました。
3 修了生職域問題の件
修了生職域委員会の大村雅彦主任より、修了生就職動向把握プロジェクトの状況について説明がなされた後、今後就職情報の取りまとめの業務に必要となる費用をプロジェクト参加校で公平に分担するべく、来年度から次のとおり年会費を引き上げるという方向性について、ご了承をいただきたいとの提案がなされ、この方向性が承認されました。なお、(1)これは任意参加型のプロジェクトであることから、プロジェクト参加各校に参加継続の意思確認を改めて行い、個別に判断していただくこと、また、(2)法科大学院全体の取りまとめを行う際には、プロジェクト非参加校は、共通の調査フォーマット(個人情報等を除いたもの)に沿って独自に修了生の就職動向の調査を行い、そのデータを協会に提出していただくことも、併せて説明されました。
定員規模 | 改定後年会費 | |
240名以上(1校) | 20万円(小計20万円) | |
160~239名(2校) | 16万円(小計32万円) | |
80~159名(13校) | 12万円(小計156万円) | |
40~79名(26校) | 8万円(小計208万円) | |
40名未満(28校) | 4万円(小計112万円) |
4 韓国法学専門大学院協議会との交流計画の件
井上正仁副理事長より、同協議会(チョン・ジョンス代表・ソウル大学)から法科大学院協会との交流を図りたいとの打診を受け、理事会の了解の下に韓国側と協議を進めてきたが、1~2年に1度,いずれかの国で交互に,共同のシンポジウムのようなものを開催するという形で交流を進めるという方向で合意が得られたこと、第1回目は日本で、次回の総会時に合わせて、シンポジウムを行うことが考えられるが、総会の了承が得られるならば、具体的な計画の策定を進めることにしたい旨の説明があり、総会において承認されました。
5 教員研修報告の件
教員研修等検討委員会の片山直也主任より、平成23年度教員研修を、民事系教員研修については2011年8月18日に、刑事系教員研修については同年9月9日に、いずれも司法研修所において実施したこと、研修の内容および参加者と司法研修所教官との意見交換会の概要については法科大学院協会ホームページに掲載する予定であること、また、来年度についても、今年度と同様の形式で行う予定であり、日程が確定し次第、案内をすることが報告されました。
6 被災地支援ボランティア報告の件
中山幸二事務局長より、2011年8月22日~25日に実施された被災地ボランティア・現地調査エクスターンシップ(法科大学院協会・日本弁護士連合会の共同企画/12大学29名の法科大学院生が参加)についての報告がなされました。また、受入側の仙台弁護士会および指導に当たった各弁護士からは、学生の真摯かつ誠実な姿勢に対して高い評価と信頼が寄せられたことが紹介されるとともに、全国から集まった学生が大学の枠を超えて相互に刺激し合い、協力し、切磋琢磨する機会が得られたことが最大の収穫であり、今後さらに研鑽を積み、真に社会に必要とされる法曹に育つことを期待したいとの所見が述べられました。
7 その他
(1) 前回の総会以後の法科大学院をめぐる動きについて
後藤専務理事より、前回の総会以後の動きについて説明がありました。
1. | 総務省の「法曹人口の拡大及び法曹養成制度の改革に関する政策評価」に対する意見書を、6月15日付で総務省政策評価室に提出するとともに、法科大学院協会のホームページにも掲載した。 | ||
2. | 6月26日付でNews Letter No.28を発行するとともに、法科大学院協会のホームページにも掲載した。 | ||
3. | 協会と外部との意見交換等について、①日弁連執行部との意見交換(7月25日および9月26日)、②司法研修所との意見交換(9月27日)が開催された。これらは、いずれもインフォーマルな意見交換会で、一定のことを決めるという趣旨のものではない。 | ||
4. | 8月26日~27日にかけて、日弁連・法務省・外務省の共催、協会・国際法学会の後援により、人材養成セミナー「国際分野のスペシャリストを目指す法律家のためのセミナー」が開催され、法科大学院生および修了生60名が参加した。 | ||
5. | 9月13日に、修了生職域委員会と人事院の共催により、13省庁の「中央省庁合同業務説明会」を開催し、法科大学院生および修了生137名が参加した。 | ||
6. | 修了生職域委員会の主催により、10月8日に大阪大学、10月22日に名古屋大学、10月25日に明治大学でそれぞれ、職域問題に関する意見交換会を開催した。 |
(2)法科大学院をめぐる外部の状況等について
法曹養成問題対策本部の井上本部長代行より、法科大学院をめぐる外部の状況等として、①法曹の養成に関するフォーラム、②提言型政策仕分け、③民主党法曹養成制度検討PTについての状況が報告されました。
(3)次回の総会について
後藤専務理事より、次回の総会が2012年5月12日(土)に予定されていること、会場は決まり次第改めてご案内する旨の説明がありました。
以 上